ハゼが好き!

海の宝石とも呼ばれる、美しいハゼたちの魅力を、水中写真で紹介します。

【ログ】マクタン 25/1/23-2/1 -スズキ目以外(ウミヘビ、ウツボ、フグ等)-

 2025年1-2月に行った、マクタンのログの続きです。

 本稿は、フグ、ウツボ、ヨウジウオなど、スズキ目以外の魚たち。

 

撮影協力:アクエリアスダイバーズ

aqdceb.com

 

和名:カタグロウミヘビ(ウミヘビ科)

学名:Ophichthus cephalozona Bleeker, 1864

英名:Dark-shouldered snake eel

分布:八重山~西部太平洋

撮影日時:2025-01-23

撮影場所:マクタン(ラフレシア)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ (フルサイズ160mm相当)

 

 学名がついたのは1864年ですが、2018年に日本の西表島近海で発見され、2020年に和名がついたウミヘビです。

 ドロップオフの割れ目をふと覗いたら、この子がこちらをギョロリと睨んでいました。

 最初は、てっきり(ミナミ)ホタテウミヘビかと思ったのですが、砂地に穴を掘って頭を出しているホタテウミヘビが、こんなところにいるとは? と調べてみたら、違う種類でした。

 図鑑でそれらしきものを見つけたときは、カタログウミヘビと思い込んだのですが、実は、カタグロ(肩黒)ウミヘビでした。

 右端の方、巣穴から背中を出したばかりのところが、黒っぽくなっているのが、わかるでしょうか。

 夜になると、穴から出て全身をさらすそうですが、残念ながら、ナイトダイビングをやらない私にとっては、縁のない話になりそうです。

manboonslife.com

 

和名:ヤンシーズ・パイプフィッシュ(ヨウジウオ科)

学名:Doryrhamphus janssi (Herald & Randall, 1972) 

英名:Janss' pipefish

分布:フィリピン~インド・太平洋

撮影日時:2025-01-27

撮影場所:マクタン(マイタケガーデン)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ(フルサイズ160mm相当)

 

 大岩の下で、ガイドさんとカメラを構えているダイバーが2人いたので、何かと寄ってみると、ガンガゼの中にいるノコギリヨウジでした(そう思い込んでいました)。
 後から調べると、ノコギリヨウジは温帯種で、日本近海くらいにしかいない筈なので、これはおかしいと思って、再調査。
 結局、ノコギリヨウジでもヒバシヨウジでもなく、かつてはクリーナー・パイプフィッシュと呼ばれ、今はヤンシーズ・パイプフィッシュと呼ばれている、和名のないヒバシヨウジ属の1種でした。
 これなら、北限がフィリピンということなので、理屈に合います。

 

 以下は、蛇足です。
 和名がないため、日本語ではヤンシーズ・パイプフィッシュと呼ばれていますが、これは、「ヤンシーのヨウジウオといった」意味になります。
 しかしながら、ヤンシーズというのは種小名のjanssiから来ているわけですが、最後につく"i"は、人の名に献名されたということを示すための語尾であり、ヤンシーという人がいるわけではありません。
 実際、英名としてはJanss' pipefishとなっており、ヤンスという人に献名されたヨウジウオ、つまり、ヤンスズ・パイプフィッシュと読むのが正解ではないかと思われます。
 日本語では呼びにくいので、ヤンシーズになったのでしょうか。

 

和名:フチドリカワハギ(ヨウジウオ科)

学名:Acreichthys tomentosus (Linnaeus, 1758)

英名:Bristle-tail file-fish

分布:沖縄~インド・西太平洋

撮影日時:2025-01-23

撮影場所:マクタン(ラフレシア)

撮影器材:Canon G7X MarkII

 

 ダイビング後に現地で調べたときは、フィッシュショートスナウト・ファイルフィッシュ(Paramonacanthus curtorhynchos)だと思い込んだようなのですが、図鑑を見比べてみると、いかにも体形が違っており、どうやらフチドリカワハギのようです。
 色彩変異が多いですが、体に細かい毛のようなものが生えているのが、一つの特徴です。 

 

 

和名:サビウツボウツボ科)

学名:Gymnothorax thyrsoideus (Richardson, 1845)

英名:Greyface moray

分布:南日本~インド・中西部太平洋

撮影日時:2025-01-26

撮影場所:マクタン(ハウスリーフ)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ(フルサイズ160mm相当)

 

 虹彩が白いのが特徴で、ユーモラスな顔つきをしており、他に間違えようのないウツボです。

 そこかしこにいるという程ではありませんが、サンゴ礁の普通種と言えるでしょう。

 顎の下についている、オレンジの小さな丸とさらに小さな白い2つの点は、どうも寄生虫のようです。

 

 

和名:クマドリ(モンガラカワハギ科)

学名:Balistapus undulatus (Park, 1797)

英名:Orange-lined triggerfish

分布:南日本~インド・太平洋

撮影日時:2025-01-31

撮影場所:マクタン(ナルスアン島女神像)

撮影器材:Canon G7X MarkII

 

 和名の由来は、体の派手な模様を、歌舞伎の隈取りになぞらえたもの。

 同じ由来の名前を持つ魚に、クマドリカエルアンコウやクマドリキュウセン、それにクマドリキンチャクフグがいます。

 さほど珍しいわけではありませんが、モンガラカワハギと同じく、出現すると大抵カメラを向けずにはおれない魚の一つです。

 

 

和名:スミフ(フグ科)
学名:Arothron immaculatus (Bloch et Schneider, 1801)
英名:Immaculate puffer
分布:沖縄~インド・西太平洋

撮影日時:2025-01-25

撮影場所:マクタン(オランゴ島ティンゴ)

撮影器材:Canon G7X MarkII

 

 単独だったりペアだったりで、がれ場や砂地の開けた場所で泳いでいます。
 尚、向こう側はカスミフグでいいと思うのですが、手前の個体は、腹に縦の筋が入っているので、スジモヨウフグとのハイブリッドかもしれません。
 ただ、ハイブリッドの場合は、背中にも筋が入っていることが多いようですが、写真の個体には入っておらず、どちらなのか微妙です。

 

 

和名:サザナミフグ(フグ科)
学名:Arothron hispidus (Linnaeus, 1758)
英名:White-spotted puffer
分布:伊豆~インド・太平洋

撮影日時:2025-01-23
撮影場所:マクタン(ラフレシア)
撮影器材:Canon G7X MarkII

 

 食用を除いて、フグのなかで最も有名なのが、このサザナミフグでしょう。
 慶良間のニシバマという有名ポイントに、ポンタという名前のサザナミフグが居ついており、映画「彼女が水着に着替えたら」にも、出演していました。

youjiuo.hatenablog.com といっても、映画が公開されたのが1989年なので、今となっては、知らない人の方が多いかもしれません。

 うちのバディに、「ポンタをみたことある?」と聞いたら、「あるに決まってる、何度も見た」というので、どうもおかしいと思ったら、サザナミフグの別名がポンタだと、ずっと思っていたそうです。

 

 

和名:アラレキンチャクフグ(フグ科)
学名:Canthigaster solandri (Richardson, 1845)
英名:Spotted sharpnose
分布:沖縄~インド・太平洋

撮影日時:2025-01-31
撮影場所:マクタン(ナルスアン島女神像)
撮影器材:Canon G7X MarkII

 

 アラレキンチャクフグが、(たぶん)ホンソメワケベラに、クリーニングされているところです。
 じっくり撮りたかったのですが、撮る気が出過ぎていたのか、フグは背を向けて逃げ去ってしまいました。

 

 

和名:シマキンチャクフグ(フグ科)
学名:Canthigaster valentini (Bleeker, 1853)
英名:Valentin's sharpnose puffer
分布:南日本~インド・太平洋

撮影日時:25-01-23
撮影場所:マクタン(チョコレートディスコ)
撮影器材:Canon G7X MarkII

 

 カワハギ科のノコギリハギと似ていることで、有名です。

 一説には、ノコギリハギが、毒を持っているこのシマキンチャクフグに擬態しているのだと言われています。

 見分け方で、一番わかりやすいのは背びれの形で、フグの方は体の後ろに小さく1つしかないのに対し、ノコギリハギの方は、体の前方に、普段は倒れている第1背びれがあり、真ん中から後方にかけて第2背びれが広がっています。

 

(参考に)

和名:ノコギリハギ(カワハギ科)

撮影日時:2022-07-06
撮影場所:与論(BG前)

 

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