ハゼが好き!

海の宝石とも呼ばれる、美しいハゼたちの魅力を、水中写真で紹介します。

No.036 オドリハゼ (Lotilia klausewitzi)

撮影日時:1998-08-11

撮影場所:石垣島(竹富島ヨスジの根2)

撮影器材:Nikon F4+ 100マクロ x 2倍テレコン

英名:Dance shrimpgoby


 透明度のいいサンゴ礁の、オーバーハングになった、白い砂が溜まっているようなところに棲んでいる。

 その名の通り、踊るような仕種が可愛くて、白黒の美しい模様と相まって、ダイバーに、人気のあるハゼである。

 但し、かなり臆病で、一度引っ込むと、出てくるまで待つのに、かなり根気が必要だったりする。


 体の数倍のサイズのエビを従え、胸鰭をカヌーのパドルのように動かして、巣穴の前で、ホバリングしている。

 オーバーハングに巣穴があることから、正面からしか近づけないことが多く、写真の大半が、上のような正面顔である。

 

 下の写真は、珍しく真横から撮ることができたもの。

 このときは、巣穴の真上にオーバーハングが被さっておらずに、比較的開けた環境となっていて、真横から撮影することができた。

 一方で、巣穴の正面には岩があって、正面から近づくことは、できなかったのだが。

撮影日時:2002-08-16

撮影場所:水納島(イエローフィッシュロック)

撮影器材:Nikon F4+ 100マクロ x 2倍テレコン

 

 共生しているエビは、和名をブドウテッポウエビ (学名 Alpheus rubromaculatus)といって、オドリハゼは、この種類としか、共生しないとされている。
 逆に、オドリハゼ以外の魚が、このエビと共生しているのも見たことがないが、シロオビハゼとも、共生するらしい。
 確かに、オドリハゼとシロオビハゼは、一瞬間違えるくらい模様が似ているが、だとすると、エビはハゼを、模様で選んでいるのだろうか?……

 

 『日本のハゼ 初版』では、学名がLotilia graciliosaとされていたが、『新版 日本のハゼ』では、L.klausewitziと訂正されている。
 オドリハゼ=Lotilia graciliosaと考えられていたのが、これとは別の種類だと判明して、2012年に新種記載されたようだ。
 L. graciliosaの方は、エジプトから報告があるので、もっぱら、紅海やインド洋に棲んでいるのかもしれない。

 

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No.035 レッドマージン・シュリンプゴビー (Amblyeleotris rubrimarginata)

撮影日時:1997-01-07

撮影場所:マブール(パラダイス3)

撮影器材:Canon EOS-5 + 100マクロ 

英名:RED-MARGIN SHRIMPGOBY

 

 アークフィン・シュリンプゴビー(A. arcupinna)、マスクド・シュリンプゴビー(A. gymnocephala)、メタリック・シュリンプゴビー(A. latifasciata)の3種と合わせ、マブールで人気の出た、外人ダテハゼ属である。

 この4種は、棲んでいる環境も似ていて、どれも、サンゴ礁のがれ場で、エビと共生する。

 ただ、前3種は、単独のことが多いが、本種は、ペアでいることも、結構多いようだ。


 英名のレッドマージン(RED-MARGIN)は、赤い縁取りのことで、第1背鰭と第2背鰭の先端が、濃いオレンジ色に縁取られているところから、来ているのだろう。

 種小名のrubrimarginataも、やはりrubri(赤い)marginata(縁取り)を表わしている。

 ちなみに、先端が赤いのは、背鰭だけではなく、臀鰭と尾鰭もである。

 

 上の写真は、マブールで、ハウスリーフ沖の、パラダイス3というポイントで、撮影したもの。
 ボートダイビングだったか、ボートを終えた後のセルフダイビングだったかが、確かではない。
 かなり色が濃く、こういうタイプはあまり見かけない。

 

 よく見るのは、下の写真のように、ヒメダテハゼのように見えて、背鰭の縁が赤いから、それと気づくようなタイプである。

撮影日時:2019-04-25D(100)7672(KPM213232D)1200

撮影場所:セブ島(カタマラン)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ (フルサイズ160mm相当)

 

 

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No.034 ヤマブキハゼ (Amblyeleotris guttata)

撮影日時:1998-08-26

撮影場所:石垣島(マンタスクランブル)

撮影器材:Nikon F4 + 100マクロ x 2倍テレコン

 

 サンゴのがれ場などで、エビと共生する。

 但し、セブでは、泥地に近いところにも棲んでいた。

 ペアになっているところは、見たことがない。

 それほど個体数は多くないが、警戒心は弱く、見つけてしまえば、比較的容易に近づける。

 

 撮影ポイントは、マンタで有名な、石垣島のマンタスクランブル。
 ガイドさんが、他のお客さんたちを連れてマンタを探して泳ぎ回っている間、船を繋留しているアンカーの下で、単独で潜って撮影したもの。

 

 当時の川平では珍しく、マンタにはあまり行かないで、マクロ中心というダイビングサービスだったが、このときはマンタ希望のお客さんが、急遽入ったのだった。

 このときは、2倍テレコンを買ったばかりで、なかなか被写体をファインダーに捉えることができず、一人でのんびり撮影できて、かえって有り難かったという記憶がある。

 このダイビングサービスのオーナーガイドは、魚に詳しくてお気に入りだったが、残念ながら、減圧症で店を閉じてしまった。

 

 下の写真は、幼魚で、模様は成魚と殆ど変わらない。

撮影日時:2018-12-14

撮影場所:アニラオ(ダイブソラナ)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ (フルサイズ160mm相当)

 

 和名の「ヤマブキ」は、山吹色の斑点が、体に多数あるところから来たものだろう。
 種小名の "guttata" は、ラテン語で“斑紋のある”という意味だそうで、これも山吹色の斑点を示している。

isladelpescado.com

 

 上の写真を見た限りでは、山吹色の斑点が鮮やかで、他のハゼと見間違えようがないように思える。

 ところが、海中では、この山吹色の斑点は、砂に混じった黄色っぽい小石などのせいで、意外に目立たず、胴体の前下部にある、黒い2個の下広がりの斑点の方が、目立って見えたりする。

撮影日時:2018-12-14

撮影場所:アニラオ(マグダレナビーチ)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 60マクロ (フルサイズ96mm相当)

 

 

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No.033 メタリック・シュリンプゴビー (Amblyeleotris latifasciata)

撮影日時:1998-01-05

撮影場所:マブール(ヨシポイント)

撮影器材:Nikon F4 + 100マクロ x 2倍テレコン

 

 マブールで、その派手な模様とメタリックの光沢が話題になり、一時、熱狂的に人気が出た。
 ハゼブームが沸き起こる、一端を担ったと言ってもいいほどだ。

 フィリピン、インドネシア、マレーシアといったサンゴ礁域の、比較的目の粗い、小石混じりの環境に棲み、日本にはいない。

 

 種小名の"latifasciata"(ラチファスキアータと読む)を調べてみたところ、"lati"は、幅とか広いという意味で、"fasciata"は、横縞を指すらしい。

fanseab.my.coocan.jp

 即ち、幅広の横縞のあるダテハゼ属という意味で、英名でも、"metalic shrimpgoby"の他に、"wide-barred shrimpgoby"と呼ばれている。
 上の記事にもあるように、"latifasciata"という種小名は、他の種にも結構使われており、同じハゼ科のオビイソハゼも、"Eviota latifasciata"という学名を持っている。

 

 下の写真は幼魚だが、大人と変わらない、立派な模様をしている。

撮影日時:2019-12-08

撮影場所:セブ・マクタン島(マイタケガーデン)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ(フルサイズ160mm相当)

 

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No.032 ミナミダテハゼ (Amblyeleotris ogasawarensis)

撮影日時:2001-08

撮影場所:水納島

撮影器材:Canon EOS-5 + 100マクロ 

 

 ヒメダテハゼほどではないが、普通種。
 サンゴ礁の、小石混じりの綺麗な砂地に棲んでいることが多い。
 眼の下に、赤褐色の垂線(下向けに垂直に降りていく線)があるのが、最大の特徴である。

 胴体に、5本の横縞があり、尾鰭には、U字形の6本目の縞がある。

 尚、『新版 日本のハゼ』にある、「第1背鰭の基底中央に半円形の赤色小斑紋」というのが、最初はよくわからなかったが、下の写真の、矢印の先にある模様を指すものと思われる。

 

『新版 日本のハゼ』には、「単独でエビと共生する」とあるが、ペアでいることも結構あるようだ。

 学名の種小名に、ogasawarensisとあるのは、最初に標本が採集されたのが、小笠原なのだろう。

 

 さて、上の写真は、婚姻色なのか、すべての鰭を広げ、斑紋をくっきりと浮き彫りにしている。

 悔しいことに、これは、私の写真ではなく、バディである妻の写真である。

 これを見たときは、やられたと思った。

 これほどの素晴らしい被写体を見つけたのなら、呼んでくれればと思わないでもなかったが、ガイドなしのバディダイビングで、恐らく、お互いにカメラを構えて、夢中で目の前のハゼを撮影していたときのものだろうから、呼ばれてもわからなかったろう。

 

 私も、こういうのを撮ったが、とても敵わない。

 

撮影日時:2002-08-15

撮影場所:水納島(コーラルガーデン)

撮影器材:Nikon F4 + 100マクロ x 2倍テレコン

 

 ちなみに、普通のミナミダテハゼは、こういうのである。

 数秒後に、欠伸をしたところ。

撮影日時:2000-05-05

撮影場所:奄美大島南部(ネオンポイント)

撮影器材:Nikon F4 + 100マクロ x 2倍テレコン

 

 

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No.031 マスクド・シュリンプゴビー (Amblyeleotris gymnocephala)

撮影日時:2019-12-08

撮影場所:セブ・マクタン島(マイタケガーデン)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ(フルサイズ160mm相当)

 

 小石混じりから泥地まで、様々な環境に棲息している。

 香港以南の西部太平洋からインド洋にかけての、広い範囲に棲息するが、日本にはいないとされているため、和名はない。

 

 眼の後ろから鰓にかけて、胴体と平行な黒線があり、他のダテハゼとの区別は、かなり容易い。
 また、あまり知られていないが、下の写真のように、顎の下から鰓にかけて、赤っぽい線がある。

撮影日時:2018-05-16

撮影場所:セブ島(RSC)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 100マクロ(フルサイズ160mm相当)

 

 英名の「マスクド」は、眼の後ろの線に由来するものだと思われるが、確証はない。
 ネイキッドヘッド・シュリンプゴビーという呼び名もあるが、あまり一般的ではないようだ。

 

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No.030 マスイダテハゼ (Amblyeleotris masuii)

謹賀新年

 

撮影日時:2019-04-19

撮影場所:セブ島(ボードウォーク前)

撮影器材:Canon EOS7D MarkII + 60マクロ (フルサイズ96mm相当)

 

 比較的深場の、泥地に棲む上に、これといった特徴がないこともあって、ダテハゼ属の中では、殆ど目立たず、名前も知られていないハゼである。

 『新版 日本のハゼ』には、特徴として、「横帯が比較的細く、間隔が離れていることと、その間に不規則な網目模様があること」とあるが、かなり接近しないと、判別できない。

 

 また、下の写真のように、背鰭の上縁に赤黒い斑点がある個体もいるが、上の写真のように、斑点がない(或いは写真でもわからない程薄い?)個体もいる。

 恐らくは、雌雄の別ではないかと思われるが、詳しくはよくわからない。

撮影日時:2020-03-047D

撮影場所:バリ島ムンジャンガン(タイガン)

撮影器材:+ 60マクロ x 1.4倍テレコン(フルサイズ134mm相当)

 

 尚、『新版 日本のハゼ』には、生息水深が35-55mとあるが、これは恐らく日本での話で、これらの写真を撮った、セブでもバリでも、20m以浅にいた。

 

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